かあびいblog

読書と寝ることが好きです。

【恋愛小説】『よるのふくらみ』窪美澄

  

  

ー私のからっぽに栓をして欲しかった。ー

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【内容紹介】

同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。みひろに惹かれている弟の裕太は、二人がうまくいっていないことに感づいていたが―。抑えきれない衝動、忘れられない記憶、断ち切れない恋情。交錯する三人の想いと、熱を孕んだ欲望とが溶け合う、究極の恋愛小説。

 

 

この小説は、幼なじみの兄弟に愛される一人の女性の三角関係にいたる物語だった。彼とのセックスレスに悩む女性がメインとなっているが、登場人物それぞれの視点からストーリーがすすんでいくので、ひとりひとりの考え方の違いや価値観、それぞれの思いや苦悩が分かって面白かった。

考え方が違うのが当たり前なのだから、すれ違いが起きるのも当然である。自分の当たり前が相手にとっては当たり前ではない。なのできちんと言葉にして自分の思いを伝えないとと思った。

「誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ。」

この言葉が印象的だった٩( ᐛ )و<保存!保存!

 

大人の恋愛小説といえる内容。

【著者紹介】

窪/美澄
1965(昭和40)年、東京生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。出産後、フリーの編集ライターに。2009(平成21)年「ミクマリ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞。受賞作を所収した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、’11年本屋大賞第2位に選ばれる。また同年、同書で山本周五郎賞を受賞。’12年、第二作『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)