かあびいblog

読書と寝ることが好きです。

【前向きになれる小説】ー言葉で世界を変えるー『本日は、お日柄もよく』原田マハ

ー言葉は、ときとして、世の中を変える力を持つ。ー

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 【内容紹介】

OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。 

 

 

 本書は、スピーチの極意十箇条から始まる。 

はじめて原田マハさんの作品を読んだ。

きっかけは、言葉のプロである方がオススメしていたから。(私はカモさんと呼ばせてもらっていてYouTuberでもある方である)

本書のテーマである通り、言葉の力に終始圧倒されまくり。言葉によって主人公やその周りの人たちの心情が変化してどんどん成長していく過程に、言葉の影響力の大きさを実感した。

私自身も、自分が発する”言葉”に対して常に意識を持たなければいけないと思ったのが、本書のなかの、

”言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけても、励ましもする。” 

この言葉の通りであって、自分の一言で相手を幸せにもするし不幸にもする。

言葉の力を理解しているからこそ慎重になってしまうが、影響力があるからこそ魅力を感じるのだし、私はできれば、言葉の力で人を幸せにしたいと思った٩( ᐛ )و<

また政治に関するストーリーでもあり、一国民として政治への参加意欲も湧いたし、”Yes we can”のキャッチコピーで有名なアメリカ元大統領オバマ氏のスピーチを聞いてみたくなった。オバマ氏が支持された理由は言うまでもない。

 

そんな、本書の内容で心に残った言葉を紹介٩( ᐛ )و<ネタバレ注意⚠︎

「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。

3時間後の君、涙がとまっている。24時間後の君、涙は乾いている。2日後の君、顔を上げている。3日後の君、歩き出している。」

 

「ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かにかけてもった言葉が何よりの励みになるんだな、って」

 

スピーチライターというお仕事があることは本書で知った。

昨年に幼なじみの結婚式で友人代表としてスピーチをしたのだが、とてもありきたりな言葉を並べることしかできなかったなと少し後悔した。申し訳ないのだけれど、もしかしたら小説と同じく私のスピーチが暇すぎてスープに顔を突っ込んだ方がいたかもしれないw

もう少し早くこの小説に出会っていたらみんなの心に響くスピーチを書くことが出来ていたかな…。わたしも伝説のスピーチライターに出会いたい!

 

本書は、とても前向きになれるストーリー。

最後は涙ちょちょぎれた٩( ᐛ )و<出会えてよかった一冊☆

【著者紹介】

原田 マハ
1962年、東京生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年独立後フリーランスのキュレーターとして活躍。05年、「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)