かあびいblog

読書と寝ることが好きです。

【ケアマネ試験】一発合格できた勉強対策 『独学で合格を目指そう!』

更新日2020.12/16 

 

今年もコロナ禍のなか、10月にケアマネージャー(介護支援専門員)の試験が開催されました。私は介護福祉士に従事して5年目となった今年度にケアマネの試験に挑戦し、無事に一発合格することができました。今年は難易度が高かったので合格の知らせを聞いたときはびっくりしたのと同時に、自分なりに試験対策をしながら努力をしてきたので嬉しかったです。そして、「合格」の2文字が自信に繋がりました。

自己流ではあるのですが独学で一発合格することができたので、自分が実践した試験対策が、今後ケアマネの試験に挑戦する方に少しでも参考になったらという思いでこの記事を書かせてもらっています。٩( ᐛ )و<少しでもお役に立てたら幸いです☆ミ

\目指せ、一発合格!/

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【ケアマネージャー(介護支援専門員)の試験内容】

ケアマネの試験とは?

正式名称は「支援専門員実務研修受講試験」といい、年に1回、毎年10月ごろに実施されています。問題は5肢複択で、「介護支援分野」、「保険医療福祉サービス分野」の2つの分野からなる全60問での出題となっています。介護支援分野は25問、保健医療福祉サービス分野は基礎が15問、総合が5問、福祉サービスの知識等が15問です。問題の難易度により合格点が調整されますが、点数がどちらかの分野に偏っていると合格できません。

受験資格は?

ケアマネ試験を受けるには、受験資格の要件を満たしている必要があります。2017年までは実務経験が一定期間あれば受験できましたが、2018年にケアマネの専門性を向上させるため、制度の見直しがされています。2018年以降の受験資格は以下の通りです。

●国家試験に基づく実務経験(介護福祉士、看護師、言語聴覚士などの経験が5年以上かつ900日以上)

●相談援助業務経験(施設などの生活相談員などの経験が5年以上かつ900日以上) 

 

合格率は?

ケアマネ試験の合格率は10〜20%前後であり、難易度が高いと言われています。

今年度(2020年)の合格率は17.7%であり、受験した4万6422人のうち8200人が合格したそうです。

\狭き門じゃ〜!/

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【ケアマネ試験のオススメ本3冊】

私が使用した本3冊です。今回は主に成美堂出版さんにお世話になりました。

他の参考書も良いのかもしれないですが、他の出版社や他の本との比較をしていないので、実際に使用したこちらの3冊をオススメとしています。

⒈成美堂出版「ケアマネ試験頻出ポイント+厳選過去問’20」

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過去10年分の本試験の全問題・全選択肢を徹底分析して、出題回数が多いテーマを重点的に解説してくれています。また、本試験の問題を通して、頻出テーマを解きながら学べる過去問をテーマ別に収録されています。

本書は1つ1つのテーマに対し、とても分かりやすく解説してくれています。

まずはこのテキストをしっかりと勉強して、ケアマネ試験の内容を知っていくことから始めました。難しい内容もわりと本書で理解することができたので、私はこのテキストの内容を全部ノートに書き写しながら頭に入れました。

٩( ᐛ )و<読んで覚えるよりも書いて覚える!

このおかげでだいたいのことは把握できました。

また書いて覚えることは、私にとっては合っていた勉強法だったと思います。

 

⒉成美堂出版「ケアマネ試験 過去5年問題集  平成28年から平成24年までの過去問を徹底分析 」

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こちらも成美堂出版さんです。

本書は、5回分の本試験の問題と別冊の解答・解説で構成されています。付属の解答用紙で実践練習ができます。

問題集の全選択肢に解説が付いていたので、内容をしっかりと理解することができます。それでも分からないところはしっかりと調べて、理解できたと納得するまで追求することが大切です。また、本試験までに問題の出し方や解き方に慣れる必要があるので、過去問を何度も繰り返し勉強することは大切です。本番に強くなれますよ。

٩( ᐛ )و<過去問は繰り返し何度も勉強しよう!

 

晶文社「ケアマネージャー一問一答’20」

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本書は、ラストスパートである後半に勉強していました。

①20年の実績を凝縮した合格水準の問題集

②最後の2択で迷わない 確実性を身につける

③頻出項目の集中学習で短期間で得点力UP

 

一問一答なので、隙間時間を活かして勉強できます。この問題集で私は、誤答を見分ける力がついたのではないかと思います。ひねった出題が多かったです٩( ᐛ )و

基礎的ではありますが、間違えやすい点をついた問題や斜め上からの問題が多く、しっかりと理解していないと解けない一問一答でした。 

 

 

【合格するためのポイント】

合格するためには勉強することに尽きるのですが、効率よく勉強できたらもっと良いと思います。また勉強期間が長いこともあって、どうしてもグダッてしまうこともあります。”合格”という目標へのモチベーションを維持して勉強をし続けることが何より大事になってきます。

 

試験日の半年以上前から勉強を始める

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今年度も10月に試験が開催されるということで、私は3月から勉強を始めて約半年間時間を確保しました。早めに取りかかっても内容が広範囲なので、覚えなければいけないことが多くて焦りました。焦ることがないように計画的に勉強しましょう。

٩( ᐛ )و<勉強は余裕を持って始めよう!

 

毎日勉強をする癖をつける

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きっと皆さん仕事をされながらの試験勉強ではないかと思います。また家庭をお持ちの方もいらっしゃいますよね。私もグループホーム認知症対応型生活介護)に従事しているのですが、シフト制で夜勤をしながら勉強する時間を確保しなければなりませんでした。仕事の疲労やプライベートで勉強できない日もあると思います。

その中でもできれば毎日勉強する時間を確保して、数分でも良いのでテキストを見たり、寝る前に問題集を少し解くだけでも違うと思います。そうすることで、だんだんと勉強をすることが習慣になっていきます。仕事や家庭との両立で大変かと思いますが…

٩( ᐛ )و<自分と向き合いながら勉強できる時間を作ろう! 

 

模擬試験を受ける

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本試験の前に、全国で様々な形で模擬試験が開催されています。

今回私も試験の1ヶ月前に実施された模擬試験を受けに行きました。この模擬試験によって自分の実力が試されることになるのですが、その日はショックを受けて家に帰ってきたのです。

思った以上に点数が取れず愕然としました。模擬試験は難しく作られていると聞いてはいたのですが、この模擬試験の経験をきっかけにこのままでは不合格が目に見えていると確信し、努力を無駄にしたくないという一心で残りの1ヶ月間、猛勉強しました。

私がケアマネ試験に一発合格できたのは、模擬試験を受けたことも1つのポイントになりました。また試験と同じ流れで受けるので、時間配分なども把握できて良かったです。模擬試験後は、内容を詳しく解説してくれます。

٩( ᐛ )و<実力試しによって今後の勉強を後押ししてくれるよ!

 

ケアマネ試験対策の模擬試験には

●会場受験と自宅受験を選べる模擬試験

●自宅受験限定の模擬試験

●会場受験限定の模擬試験

があります。私は会場受験でした。受験料は6500円ほどだったでしょうか。定員の関係もあるので、事前に確認しておきましょう!

 

分からないを分からないままにしない

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ケアマネの試験内容を理解するうえでは、しっかりと内容を追求しないといけません。

1つでも分からないワードや分からない内容があった際は、ネットでググって自分が納得するまで調べましょう。私はGoogleさまさまでした。

٩( ᐛ )و<途方にくれる思いをしたのは否めない…合格のために…!

 

休憩する日を作って息抜きしよう

私は定期的に休憩日を作ることで、日々の勉強を頑張れていました。

大好きなお酒を楽しんだり美味しいスイーツを食べたり、友達と遊んでストレスを発散したりして、「息抜きできたからまた明日から頑張ろう」と、気持ち新たに頑張ることができました。メリハリはとても大切です。

試験に対するプレッシャーがかかりますし、勉強でのストレスは無意識でも溜まってきます。上手に息抜きもしながら本試験に挑みましょう☆

٩( ᐛ )و<楽しみがあるからこそ頑張れるのだ!

 

【2020年のケアマネ試験を受けた感想】

今回の試験では「介護支援分野」がとても難しく感じました。

その他の分野は多少自信があったので、もっと介護支援分野を重点的に勉強すれば良かったと、試験を終えた時に思いました。(しかし、勉強しても分からなかったであろう問題も多かったのが事実…)

勉強をしていくうちに自分の苦手分野が分かってくると思うので、苦手分野は他の分野よりも時間をかけてしっかりと勉強しましょう。

また大事なのは、分からないところを分からないままにしないことだと思います。

1つの言葉に対してなぜ?なぜ?と疑問を持ち、すぐに調べる。 1つずつ疑問を解消させていくことが、合格へと繋がるかと思います。

 

最後に…ケアマネ試験を受けるにあたって、両立しながらの試験勉強はとても大変かと思いますが、努力は実になり努力は報われると思います。私も受かったからにはこれから始まる怒涛の研修、頑張ります٩( ᐛ )و<頑張りましょうね☆

【映画化されているサスペンスミステリー小説】『望み』雫井脩介

息子は殺人犯か、被害者かーー。

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【内容紹介】

思春期の息子と娘を育てながら平穏に暮らしていた石川一登・貴代美夫婦。9月のある週末、息子の規士が帰宅せず連絡が途絶えてしまう。警察に相談した矢先、規士の友人が殺害されたと聞き、一登は胸騒ぎを覚える。逃走中の少年が2人だが、それとも……。

規士の無実を望む一登と、犯人でも生きていて欲しいと願う貴代美。揺れ動く父母の思いーー。心に深く突き刺さる衝撃のサスペンスミステリー。

 

身内から犯罪者が出るか、もしくは被害者が出るか、あなたならどちらを選びますか。

 

究極の選択。どちらにしても幸せな結末ではないということを、本書を読んで苦痛なほどに理解した。息子が行方不明になって真実が明らかになるまでの数日間、その究極の選択を迫られる家族の苦しみや葛藤が読んでいて辛いものがあった。

だけど、何をしてもただただ生きていて欲しいという願いは途絶えないと思う。

後半は、先が気になり読む手が止まらず一気読み。

”悲しみは事実が確定した時点をピークにして増殖が止まる。それ以上に厄介なものは不安だ。心の中に巣くって、気持ちを千々に乱れさせるものは、悲しみの事実がヴェールで見通せないときに生じる不安である。”

 

本書は、友人からの紹介で1019年に読了した٩( ᐛ )و<ありがとう♡

このようなミステリー小説も面白いね!自分だったら…と深く考えさせられた。

オススメの1冊٩( ᐛ )و

 

 

2020年の10月に映画が公開されている。

面白そう…なかなか観る時間がなかったのでこれから観たい!

予告編でありまする٩( ᐛ )و<https://youtu.be/6OCbpMJ7aPE

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【著者紹介】

雫井 脩介(しずくい しゅうすけ)

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』でデビュー。04年に『犯人に告ぐ』を刊行、翌年には第7回大藪春彦賞を受賞し、ベストセラーとなる。その他の著書に『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『つばさものがたり』『検察側の罪人』『仮面同窓会』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『引き抜き屋(1)鹿子子穂の冒険』『引き抜き屋(2)鹿子子穂の帰還』などがある。

【エッセイ本】『ナナメの夕暮れ』若林正恭

おじさんになって、「生き辛さ」から解放されたー「自分探し」はこれにて完結!

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【内容紹介】

オードリー若林、待望の新エッセイ集!

『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書きおろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!
ゴルフに興じるおっさんなどクソだと決めつけてた。恥ずかしくてスタバで「グランデ」が頼めない。そんな自意識に振り回されて「生きてて全然楽しめない地獄」にいた若林だが、四十を手前にして変化が訪れる――。
ゴルフが楽しくなり、気の合う異性と出会い、あまり悩まなくなる。だがそれは、モチベーションの低下にもつながっていて……
「おじさん」になった若林が、自分と、社会と向き合い、辿り着いた先は。
キューバへの旅行エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』では第三回斎藤茂太賞を受賞。
「生き辛い」と感じている全ての人に送ります。

 

私は本書を2019年に読了。

読めば読むほど若林さんが抱えていた「生き辛さ」を知った。

また、自分も持っているな〜と共感した。

些細な出来事からも生き辛さを感じ取っていた若林さんは、繊細で感受性が豊かな方なのだろうなと思った。その分、生き辛さが増し増しだったのかもれない。ひねくれた性格も相まって…(若林さんごめんなさいw)

きっと誰しもがそれぞれの生き辛さを抱えていると思うし、わたし自身もそうである。若林さんはしっかりと自分と向き合ってきたからこそ、自分なりの生きやすさを手に入れることができたのだろう。自意識過剰で人見知り、ひねくれている自分のことを素直に受け止めて、自分の「生きやすさ」を追求した。

とても自分自身のことを理解しておられる方だと思う。

また、周りの言動や行動の真理についても核心を突いているというか。

本書を読んで、若林さんの性格を含めてさらに好きになった。ひねくれているところもね。

 

ここから先は、本書の中で私がお気に入りの(書き留めていた)言葉と思いをここに書かせてもらう٩( ᐛ )و<ネタバレ注意!⚠︎

 

”欲望が無いと人間は向上しない?なぜ、一流のものを手に入れることだけを欲望だと思うのだろうか。安くてそこそこいいものに囲まれながら、平凡な家庭を築き、気の合う仲間とだけ楽しみ続ける人生を目指すことは欲望では無いのだろうか?それを実現し続けることはとてつもない奇跡だし、難しいことだ。”

٩( ᐛ )و<普通とは?

わたしの周りにも自分の価値観を押し付けてくる人がいる。幸せの形や理想こそ人それぞれだと思うので共感した。

 

”不良に「紅茶飲む?」と聞かれて、自分の気持ちを素直に言えるようになるための第一歩は「自分に自信を持つ」みたいなしょうもない絵空事じゃない。自分が臆病であることを認めることである。”

٩( ᐛ )و<この章は面白くて笑った

若林さんのこの時の行動に「分かるわ〜」って共感。

 

”3年間の授業で”しくじり”を回避する一番の方法は何だと思ったかというと、それは”耳が痛いことを言ってくれる信頼できる人を持つこと”である。「自分では自分のしくじりの種には気づけない」というのが、約120回の授業を受けたぼくの結論であった。”

٩( ᐛ )و<ふむふむ

レギュラー番組だった「しくじり先生」を通して、若林さんが学んだことだそう。

 

冷笑主義者が、なぜ冷笑し続けるかというと、自分が冷笑されることに怯えているからだ。”

 

”何でも”みっともない”と片付けて、自分は参加しなかった。そうやって他人がはしゃいでいる姿をバカにしていると、自分が我を忘れてはしゃぐことも恥ずかしくてできなくなってしまう。(中略)そうなると、自分が好きなことも、他人の目が気になっておもいっきり楽しむことができなくなってしまう。それは行き着く先は「あれ?生きてて全然楽しくない」である。他人への否定的な目線は、時間差で必ず自分に返ってきて、人生の楽しみを奪う。”

 

”自分の生き辛さの原因のほとんどが、他人の否定的な視線への恐怖だった。その視線を殺すには、まず自分が”他人への否定的な目線”をやめるしかない。”

٩( ᐛ )و<周りの目を気にしている人こそ自分に自信がない人なのかもしれない

生き辛さの解消のためには、他人の目を気にしないで自分らしく生きることである。そのためにまずは、自分自身を変えていかなければいけないということだろうか。他人の目をいちいち気にするのは、冷静に考えたらどの場面においても自意識過剰になっていると言えるんだな。また無意識に他人を評価していたり、自分と他人を比べている。

まずは、自分を肯定する。自分を好きになれるようなる。そのために日々努力していきたいと思った。自分らしく素直に生きることが、生きやすさに繋がる。そしてもっと人生が楽しくなる。

 

”俺はもうほとんど人生は、「合う人に会う」ってことで良いんじゃないかって思った。”

٩( ᐛ )و<とても共感できる言葉

 

本書は、生き辛さ解消への道しるべになってくれる1冊だと思う☆

 

【著者紹介】

若林/正恭
1978年9月20日、東京生まれ。春日俊彰とお笑いコンビ・ナイスミドルを結成。その後、オードリーと改名する。ツッコミ担当。バラエティを中心に、テレビ、ラジオなど活躍の場を広げる。はじめてのエッセイ集『社会人大学人見知り学部卒業見込』がベストセラーに。2018年、キューバへの紀行エッセイ集『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』で斎藤茂太賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

特別養子縁組とは…【映画化された小説】『朝が来る』辻村深月

ー「子どもを返してほしいんです」ー

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【内容紹介」

「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、だが、確かに息子の産みの母の名だった…。子を産めなかった者、子を手放さなければならなかった者、両者の葛藤と人生を丹念に描いた、感動長篇。

 

今年の10月には映画化もされた小説。

見てみたい。

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私は本書を2018年に読了した。

不妊治療の末、子どもを諦めた夫婦が特別養子縁組で男の子を養子に授かり、その子を朝斗(あさと)と名付けた。朝斗の産みの母であるひかりは中学生で妊娠し、断腸の思いで朝斗である子どもを手放し養子に出した。その産みの母であるひかりがある日突然、夫婦の元に朝斗を「返してほしい」と訪問してくるという内容。

子どもに対するそれぞれの葛藤に読んでいて辛くなる、結構重い内容だったのだが、”特別養子縁組の制度”を本書で深く知ることができた。

この2人を結んだ「ベビーバトン」という養子縁組の団体があったように、子どもを産めなくて悩まれている方や、事情により育てることができない母親、この世に授かった子どもの未来の為にある制度があることに、もっと深く世に広まってほしいと思った。

特別養子縁組とは…(認定NPO法人 Florence 赤ちゃん縁組 からの引用)

子どもが生涯に渡り、安定した家庭で特定の大人の愛情に包まれて育つために作られた公的な制度です。

何らかの事情で生みの親が育てることができない子どもを、育ての親に託し、子どもと育ての親は家庭裁判所の審判によって戸籍上も実の親子となることができます。

特別養子縁組を仲介する機関

特別養子縁組を仲介する機関としては、行政機関である児童相談所と、民間団体があります。フローレンスも民間団体のひとつです。

児童相談所・民間団体共に予期せぬ妊娠・望まぬ妊娠をして悩む女性の相談に乗り、それと同時に育ての親になりたい夫婦の審査・登録受付を行なっています。生みの親が出産後、育ての親となる夫婦をマッチングし、赤ちゃん(子ども)を託します。 

 

本書から、家族のかたちってさまざまなんだなって感じた。

血の繋がりだけが家族と言うのではない。血の繋がれていない親子だとしても家族であり、幸せなのだ。自分や相手の幸せのために覚悟を持って生きている人たちを本当に尊敬する。

産みの母の気持ち、養子に授かった母親の気持ち、どちらの立場になっても辛いものがあったが、最後はお互いが穏やかな気持ちで子どもを見つめる瞳に心震わされた。

それぞれの想いを捉えさせてくれた本書には感謝。

【著者紹介】

辻村/深月
1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

【いい意味でくだらなくて笑える本】『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』菊池良/神田圭一

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【内容紹介】

もしも村上春樹カップ焼きそばの容器にある「作り方」を書いたら――
ツイッターで発信され、ネット上で大拡散されたあのネタが、太宰治三島由紀夫夏目漱石といった文豪から、星野源小沢健二らミュージシャンまで、100パターンの文体にパワーアップして書籍化されました。読めば爆笑必至の文体模倣100連発。
さらにイラストは、手塚治虫をはじめとした有名漫画家の模倣を得意とするマンガ家・田中圭一氏の描き下ろしです!

私としてはくだらなくて笑えたw(いい意味で)

100人それぞれの文体の特徴をおさえながら、「カップ焼きそばの作り方」という題材でユーモラスに書かれている。思わず可笑しくて笑ってしまう内容。

…と言っても100人みんな知っていたわけではないけれど、個性が爆発していて、この人の文体はこんな感じなのだろうなと想像させられた。また「ラッパーの詩集」や、「Siri」なんていうのもある。

個人的にハリーポッターファンとしては、J.Kローリング編があったのがテンション上がった。内容もくだらなくてお気に入り(褒めている)

なんせタイトルが「ハリーポッターとヤキソバンの囚人」www

 

娯楽の一冊。

時々挟まれる田中圭一さんの漫画の絵も見どころ!

気になった方は是非♡٩( ᐛ )و<第2段もあるのだよ☆

【著者紹介】

神田/桂一
フリーライター・編集者。一般企業勤務から、週刊誌『FLASH』の記者に。その後、ドワンゴ「ニコニコニュース」編集部などを経てフリー

菊池/良
ライター・Web編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

【世界的ロングセラー本】『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル

 

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【商品内容】

〈わたしたちは、おそらくこれまでのどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ〉
「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大と悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ、現在にいたっている。
原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。その後著者は、1977年に新たに手を加えた改訂版を出版した。
世代を超えて読みつがれたいとの願いから生まれたこの新版は、原著1977年版にもとづき、新しく翻訳したものである。

心理学者、強制収容所を体験する―飾りのないこの原題から、永遠のロングセラーは生まれた。“人間とは何か”を描いた静かな書を、新訳・新編集でおくる。

1945年に出版されたヴィクトール・フランクルナチス強制収容所経験に基づいた書籍作品である。

私は去年の3月に新版を読了した。

内容が今の時代とかけ離れているので、このような悲惨な時代があったという現実を受け止めることに少し時間がかかった。胸が苦しくなりながら読んだのだが、「人間としての尊厳」について、「生きる」ということについて改めて考えさせられた。一度は読むべき本であると思う。

 

”「この本は冷静な心理学者の眼でみられた、限界状況における人間の姿の記録である。そしてそこには、人間の精神の高さと人間の善意への限りない信仰があふれている。だがまだそれは、まだ生々しい現代史の断面であり、政治や戦争の病誌である。そしてこの病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう。」”

 

”収容所に入れられ、なにかをして自己実現する道を断たれるという、思いつく限りでもっとも悲惨な状況、できるのはただこの耐えがたい苦痛に耐えるしかない状況にあっても、人は内に秘めた愛する人のまなざしや愛する人の面影を精神力で呼び出すことにより、満たされることができるのだ。”

 

”強制収容の人間を精神的に奮い立たせるには、まず未来に目的を持たせなければならなかった。被収容者を対象とした心理療法や精神衛生の治療の試みがしたがうべきは、ニーチェの的を射た格言だろう。「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」

 

ーあらゆる物を奪われた人間に残された、たった一つのもの、それは与えられた運命に対して自分の態度を選ぶ自由、自分のあり方を決める自由である。ー

 

自分のあり方を自由に決められる私は、ほんとうに幸せだと思う。

 

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【著者紹介】

ヴィクトール・E・フランクル
Viktor Emil Frankl
1905年、ウィーンに生まれる。ウィーン大学卒業。在学中よりアドラーフロイトに師事し、精神医学を学ぶ。第二次世界大戦中、ナチスにより強制収容所に送られた体験を、戦後まもなく『夜と霧』に記す。1955年からウィーン大学教授。人間が存在することの意味への意志を重視し、心理療法に活かすという、実存分析やロゴテラピーと称される独自の理論を展開する。1997年9月歿。
著書『夜と霧』『死と愛』『時代精神の病理学』『精神医学的人間像』『識られざる神』『神経症』(以上、邦訳、みすず書房)『それでも人生にイエスと言う』『宿命を超えて、自己を超えて』『フランクル回想録』『〈生きる意味〉を求めて』『制約されざる人間』『意味への意志』(以上、邦訳、春秋社)。

池田香代子
いけだ・かよこ
1948年東京生まれ。ドイツ文学翻訳家。
主な著書に『哲学のしずく』(河出書房新社、1996)『魔女が語るグリム童話』(正は宝島社、1999 続は洋泉社、1998)『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス、2001)『花ものがたり』(毎日新聞社、2002)など。
主な翻訳にゴルデル『ソフィーの世界』(NHK出版、1996)、『完訳クラシック グリム童話』(全5巻、講談社、2000)などがある。『描たちの森』(早川書房、1996)で第1回日独翻訳賞受賞(1998)。

【前向きになれる小説】ー言葉で世界を変えるー『本日は、お日柄もよく』原田マハ

ー言葉は、ときとして、世の中を変える力を持つ。ー

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 【内容紹介】

OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。 

 

 

 本書は、スピーチの極意十箇条から始まる。 

はじめて原田マハさんの作品を読んだ。

きっかけは、言葉のプロである方がオススメしていたから。(私はカモさんと呼ばせてもらっていてYouTuberでもある方である)

本書のテーマである通り、言葉の力に終始圧倒されまくり。言葉によって主人公やその周りの人たちの心情が変化してどんどん成長していく過程に、言葉の影響力の大きさを実感した。

私自身も、自分が発する”言葉”に対して常に意識を持たなければいけないと思ったのが、本書のなかの、

”言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけても、励ましもする。” 

この言葉の通りであって、自分の一言で相手を幸せにもするし不幸にもする。

言葉の力を理解しているからこそ慎重になってしまうが、影響力があるからこそ魅力を感じるのだし、私はできれば、言葉の力で人を幸せにしたいと思った٩( ᐛ )و<

また政治に関するストーリーでもあり、一国民として政治への参加意欲も湧いたし、”Yes we can”のキャッチコピーで有名なアメリカ元大統領オバマ氏のスピーチを聞いてみたくなった。オバマ氏が支持された理由は言うまでもない。

 

そんな、本書の内容で心に残った言葉を紹介٩( ᐛ )و<ネタバレ注意⚠︎

「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。

3時間後の君、涙がとまっている。24時間後の君、涙は乾いている。2日後の君、顔を上げている。3日後の君、歩き出している。」

 

「ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かにかけてもった言葉が何よりの励みになるんだな、って」

 

スピーチライターというお仕事があることは本書で知った。

昨年に幼なじみの結婚式で友人代表としてスピーチをしたのだが、とてもありきたりな言葉を並べることしかできなかったなと少し後悔した。申し訳ないのだけれど、もしかしたら小説と同じく私のスピーチが暇すぎてスープに顔を突っ込んだ方がいたかもしれないw

もう少し早くこの小説に出会っていたらみんなの心に響くスピーチを書くことが出来ていたかな…。わたしも伝説のスピーチライターに出会いたい!

 

本書は、とても前向きになれるストーリー。

最後は涙ちょちょぎれた٩( ᐛ )و<出会えてよかった一冊☆

【著者紹介】

原田 マハ
1962年、東京生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年独立後フリーランスのキュレーターとして活躍。05年、「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)