【エッセイ本】『ナナメの夕暮れ』若林正恭
おじさんになって、「生き辛さ」から解放されたー「自分探し」はこれにて完結!
【内容紹介】
オードリー若林、待望の新エッセイ集!
『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書きおろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!
ゴルフに興じるおっさんなどクソだと決めつけてた。恥ずかしくてスタバで「グランデ」が頼めない。そんな自意識に振り回されて「生きてて全然楽しめない地獄」にいた若林だが、四十を手前にして変化が訪れる――。
ゴルフが楽しくなり、気の合う異性と出会い、あまり悩まなくなる。だがそれは、モチベーションの低下にもつながっていて……
「おじさん」になった若林が、自分と、社会と向き合い、辿り着いた先は。
キューバへの旅行エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』では第三回斎藤茂太賞を受賞。
「生き辛い」と感じている全ての人に送ります。
私は本書を2019年に読了。
読めば読むほど若林さんが抱えていた「生き辛さ」を知った。
また、自分も持っているな〜と共感した。
些細な出来事からも生き辛さを感じ取っていた若林さんは、繊細で感受性が豊かな方なのだろうなと思った。その分、生き辛さが増し増しだったのかもれない。ひねくれた性格も相まって…(若林さんごめんなさいw)
きっと誰しもがそれぞれの生き辛さを抱えていると思うし、わたし自身もそうである。若林さんはしっかりと自分と向き合ってきたからこそ、自分なりの生きやすさを手に入れることができたのだろう。自意識過剰で人見知り、ひねくれている自分のことを素直に受け止めて、自分の「生きやすさ」を追求した。
とても自分自身のことを理解しておられる方だと思う。
また、周りの言動や行動の真理についても核心を突いているというか。
本書を読んで、若林さんの性格を含めてさらに好きになった。ひねくれているところもね。
ここから先は、本書の中で私がお気に入りの(書き留めていた)言葉と思いをここに書かせてもらう٩( ᐛ )و<ネタバレ注意!⚠︎
”欲望が無いと人間は向上しない?なぜ、一流のものを手に入れることだけを欲望だと思うのだろうか。安くてそこそこいいものに囲まれながら、平凡な家庭を築き、気の合う仲間とだけ楽しみ続ける人生を目指すことは欲望では無いのだろうか?それを実現し続けることはとてつもない奇跡だし、難しいことだ。”
٩( ᐛ )و<普通とは?
わたしの周りにも自分の価値観を押し付けてくる人がいる。幸せの形や理想こそ人それぞれだと思うので共感した。
”不良に「紅茶飲む?」と聞かれて、自分の気持ちを素直に言えるようになるための第一歩は「自分に自信を持つ」みたいなしょうもない絵空事じゃない。自分が臆病であることを認めることである。”
٩( ᐛ )و<この章は面白くて笑った
若林さんのこの時の行動に「分かるわ〜」って共感。
”3年間の授業で”しくじり”を回避する一番の方法は何だと思ったかというと、それは”耳が痛いことを言ってくれる信頼できる人を持つこと”である。「自分では自分のしくじりの種には気づけない」というのが、約120回の授業を受けたぼくの結論であった。”
٩( ᐛ )و<ふむふむ
レギュラー番組だった「しくじり先生」を通して、若林さんが学んだことだそう。
”冷笑主義者が、なぜ冷笑し続けるかというと、自分が冷笑されることに怯えているからだ。”
”何でも”みっともない”と片付けて、自分は参加しなかった。そうやって他人がはしゃいでいる姿をバカにしていると、自分が我を忘れてはしゃぐことも恥ずかしくてできなくなってしまう。(中略)そうなると、自分が好きなことも、他人の目が気になっておもいっきり楽しむことができなくなってしまう。それは行き着く先は「あれ?生きてて全然楽しくない」である。他人への否定的な目線は、時間差で必ず自分に返ってきて、人生の楽しみを奪う。”
”自分の生き辛さの原因のほとんどが、他人の否定的な視線への恐怖だった。その視線を殺すには、まず自分が”他人への否定的な目線”をやめるしかない。”
٩( ᐛ )و<周りの目を気にしている人こそ自分に自信がない人なのかもしれない
生き辛さの解消のためには、他人の目を気にしないで自分らしく生きることである。そのためにまずは、自分自身を変えていかなければいけないということだろうか。他人の目をいちいち気にするのは、冷静に考えたらどの場面においても自意識過剰になっていると言えるんだな。また無意識に他人を評価していたり、自分と他人を比べている。
まずは、自分を肯定する。自分を好きになれるようなる。そのために日々努力していきたいと思った。自分らしく素直に生きることが、生きやすさに繋がる。そしてもっと人生が楽しくなる。
”俺はもうほとんど人生は、「合う人に会う」ってことで良いんじゃないかって思った。”
٩( ᐛ )و<とても共感できる言葉
本書は、生き辛さ解消への道しるべになってくれる1冊だと思う☆
【著者紹介】
若林/正恭
1978年9月20日、東京生まれ。春日俊彰とお笑いコンビ・ナイスミドルを結成。その後、オードリーと改名する。ツッコミ担当。バラエティを中心に、テレビ、ラジオなど活躍の場を広げる。はじめてのエッセイ集『社会人大学人見知り学部卒業見込』がベストセラーに。2018年、キューバへの紀行エッセイ集『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』で斎藤茂太賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)