かあびいblog

読書と寝ることが好きです。

【新書】『愛することば あなたへ』瀬戸内寂聴

 

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人はなぜこの世に生きているのでしょう。

それは愛するためです。

  「この本があなたの生きてゆく道しるべになってくれると幸いです」 

 

 

 

ここから下は心に響いた言葉を書き留めているので

〈ネタバレ注意٩( ᐛ )و〉

 

 ”覚悟のない恋愛はダメなんです。”

一.男と女より

 

”この世の中には苦しいことがいっぱいある。

しかし、その苦しみは、耐えるだけの値打ちがある苦しみなのです。

その苦しみに耐えて一生懸命生きていたら、それまで苦しんだ分だけ、何か、その人に力が与えられます。後になって思い出しますと、あのときは苦しかったな、しかし、よくあそこを抜けてきたな」という喜びが必ずあります。まったく苦しみを知らない人よりも、苦しんだ人は心が豊かになります。”

二.くるしみより

 

”生きている以上はたくさん人を愛する、それが第一条件だと思います。

愛することは苦しみを伴いますから、たくさん苦しみなさいというわけです。…

自分の死に際に、私はこう生きたと振り返る際に、何の苦しみも知らず、だれの苦しみにも無関心なままで、それで人生を生きたを言えるかしら。

そんな人生は、私はつまらないと思いますよ。”

二.くるしみより 

 

”…そして自分のことを「わかってちょうだい、わかってちょうだい」と言って焦るよりも、まず自分が、自分以外の人のことをわかる人間になりましょう。

「私はこう思うけれど、あの人はああ思っている。しかしあの考え方も、大きな観点に立って見れば、あってもいいことね」というふうに相手の考え方や立場を理解しましょう。”

六.いのりより 

 

【著者紹介】

瀬戸内寂聴(せとうち じゃくちょう)

1992年 徳島県生まれ。東京女子大卒。

1957年「女子大生・曲愛玲」で新潮同人雑誌賞。

1961年『田村俊子』で田村俊子賞

1963年『夏の終わり』で女流文学賞を受賞。

1973年に平泉中尊寺で得度、法名寂聴となる。

1992年『花に問え』で谷崎潤一郎賞

1996年『百道』で芸術選奨文武大臣賞。

2001年『場所』で野間文芸賞

2011年『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。

1998年『源氏物語』現代語訳を完訳。

2006年 文化勲章受章。

近著は小説『いのち』(講談社

エッセイ集『花のいのち』(講談社)ほか